3.フリーランス日本語教師に必要な心構え、能力、知識とは?

2020年10月31日

このように書くと「フリーランスになるにはやっぱり特別なスキルが必要なんじゃないか」と思うかもしれませんが、心配しないでください。

別に持っていなくても大丈夫です。

あくまで私が「こういうスキル、考え方は大事かな」と感じていることで、自分もまだまだ勉強中のことも多いです。

生徒さんのターゲットや働き方によって大きく変わってきますし、参考程度に読んでいただきたいと思います。

 

【心構え】

・日本語教育はサービス業という意識を持つ

まず、最初に意識してもらいたいことは、フリーランスとしての日本語教育は「教育」ではなく「サービス」であるということです。

フリーランスとして仕事をしていくのであれば、生徒さんに継続して授業を受けてもらわなければなりません。

そのためには生徒さんにお金を払うに値するサービスとして満足してもらうことが一番大切だということです。

「日本語教師なのだから、日本語を上達させなければならない」

と日本語教師なら誰もが考えることだと思います。

もちろん、生徒さんも日本語を上達させたくてサービスを利用しているのですから、これは間違いではありません。

でもこれ以上に優先させることは生徒さんの満足度です。

極端に言えば、「日本語がすごく上達するけど、ストレスが大きく楽しくない」授業であれば、継続して受けたいと思う生徒さんは少ないでしょう。

もっと言うと、まず「この人と話すのは楽しい」と思われなければなりません。

想像していただきたいですが、1時間や2時間、話が面白くない人や不快な態度をとる人と一緒に過ごしたいと思うでしょうか。

まずは人として好感を得ることが大切で、その上で相手にとって「楽しくて実りのある」授業を考えるべきです。

生徒さんにとっての「楽しくて実りのある」授業はそれぞれです。

「真面目で自学もしっかりしている」

「細かく指摘してほしい」

「覚えたり文法を学んだりすることを楽しめる」

このような生徒さんには教科書を使って丁寧に教えることもありますし、

「ただ単純に覚えたりすることは苦手」

「あまり硬い雰囲気で勉強したくない」

このような生徒さんには世間話をしながら出てくる語彙や文法を教えるという授業もします。

生徒さん一人ひとりを見て、「どんなサービスだったらまた利用してくれるか」ということを意識してください。

 

・何でもやってみる積極性

フリーランスとして働きはじめると、「これは自分にできるだろうか」「経験がないのでやらないほうがいいかも」と思うような仕事も出てきます。

こんなときに「精一杯やってみて失敗したら仕方がない」と積極的にチャレンジする姿勢が必要です。

結果的に失敗したとしても、精一杯チャレンジすることで新しい経験が蓄積されていきます。

フリーランスとして働いていると、「この仕事をさせて経験を積ませよう」と新しい仕事を任せてくれる上司も先輩もいません。

自分からどんどんチャレンジして、できることを増やしていきましょう。

 

・常に改善する向上心

フリーランスとして働くということは上司や先輩など、自分の悪い点を指摘してくれる人がいないということでもあります。

生徒さんがわざわざ悪いところを指摘してくれるということはほとんどなく、サービスがよくなければ何も言わず離れていくだけです。

常に自分で反省し、もっとできることはないかと考えて改善しましょう。

 

・失敗して当たり前という気持ちを持つ

いろいろ話してきましたが、全てがスムーズに進むことはありえないと思います。私もプライベートレッスン、ウェブサイト作成、集客など、始めは全て失敗したと言っても過言ではありません。

今でも生徒さんとの授業が終わってしまったりすることは珍しいことではありません。

ですが、新しいチャレンジを最初から完璧にするということは不可能なので、一つ一つのことに一喜一憂しすぎないようにしています。

「捨てる神あれば拾う神あり」ぐらいの気持ちで、うまく進まない生徒さんがいても、しっかり評価してくれる生徒さんもいるので、気にしすぎないことです。

 

【能力・知識】

・日本語を教える能力、知識

当然ですが、フリーランスとして働くことになると一人で授業の準備をしなければなりません。

学校に所属しているときのように、学校の教材を共有できたり、他の先生に相談したりすることもできないかもしれません。

「私は今も非常勤だから自分1人で授業プランを考えている」

と思われる方もいるかもしれませんが、フリーランスとして働くと、学校で働いているときよりはるかに多様なニーズがあることに気づかされます。

また、「今日はここを教えよう」と思っていても全く関係ない話題になって、いろいろな質問を受けるということも、学校よりも多くなります。

幅広い知識と授業の柔軟性が必要ですが、これはやはり自分も勉強し続けることと、経験が必要になります。

 

・話題の豊富さ

先ほど「この人と話すのは楽しい」とまず思われる必要があると言いましたが、いろいろな話題について話せることは大きな強みになります。

私は大使館の外交官の方とニュースについて話すという授業をしていたときは、政治、経済、社会問題などについての記事をよく読むようにしていました。

他にもゲームが趣味の生徒さんと毎回のように最新のゲームの話をしたり、よく食べ歩きをしている生徒さんとは東京の美味しい店について話したりすることはよくありました。

そのように話が合う生徒さんとは授業が長く続く場合が多いです。

日頃からアンテナを張り、いろいろな話題について話せるようにしておくことは大切です。

もう一つ、のような共通の話題、専門などを持っている人にターゲットを絞るという方法もあります。

例えばあなたがITに詳しければ、それを磨いてIT関係の人、会社専門の日本語教師になれば、他と差別化できますし、生徒さんとの会話も弾みやすいと思います。

 

・ITスキル

ITスキルと言っても、「プログラミングができる」というような専門的なものではなく、インターネット、アプリ、SNSを活用する最低限のスキルがあれば大丈夫です。

これは必須のものではありませんが、インターネット、アプリ、SNSなどが使えたほうが圧倒的に便利で、時間と労力の削減にもつながります。

私は授業のときは基本的にはタブレットだけ持っていきます。

教材、教科書は全部データとして保存してあるので、その日の内容だけでなく、突然授業と関係ない文法の質問などをされてもすぐに対応できます。

他にもタブレットペンを使ってメモのアプリを板書代わりにしますし、自由な会話をするときにも、例えばニュース記事を見せたり、旅行の話なら観光地の写真、食べ物の写真なら店の写真を見ながら話したり、もはやタブレットはなくてはならない存在です。

便利なツールやウェブサイト、サービスなどについては「7.フリーランス日本語教師の仕事効率を大幅アップする便利ツール」のページで詳しく解説します。

 

・英語

「直接法で教えるから英語は必要ない」

と思われる方もいるかもしれません。

私も日本語を教えるときはできるだけ日本語だけで教えるようにしてはいますが、残念ながらある程度の英語はできたほうがいいです。

確かに日本語を教えるだけなら日本語だけでもある程度できますが、プライベートレッスンの場合、よりはっきり早く答えを知りたがる生徒さんも多いので、日本語だけで周りくどく説明するより、英語の翻訳を言ったほうが早い場合も多いです。

また、それよりも必要になるのは授業を始める前です。

まず自分のサービスについて広告を出す場合、英語で書いたほうがいいです。

もちろん日本語で書いても理解できるぐらいレベルが高い生徒さんや、企業の日本人の担当者をターゲットにする場合は日本語でも大丈夫ですが、直接生徒さんとやり取りがしたい場合は、日本語が十分に読めない上級者以外にはアプローチできないことになってしまいます。

私が英語で広告を出しているのもありますが、生徒さんからの最初の問い合わせはほとんどが英語で書かれています。

その場合、実際に会うまでのやり取りは英語で行います。

私自身も特別英語ができるわけではなく、苦労しました。

今でもメールは翻訳アプリを使って確認することもありますし、授業前の面談では、使いそうな文や単語を調べておいて準備しておいたり、オンライン英会話で練習したりしました。

人によってはかなりハードルが高いかもしれませんが、英語ができることでチャンスが広がるのは間違いないので、あきらめずに取り組んでみましょう。

 

 

とりあえず思いついたものを書いてみましたが、これはあくまでも私の場合です。

フリーランスは自由なんですから、どんな働き方をしてもいいんです。

身につけるのが苦痛なものに注目するより、自分が得意なこと、好きなことを活かす方がはるかに良い結果が出せると思います。