2.フリーランス日本語教師のメリットとデメリット
「フリーランスとして働きたいけど、収入が不安定になるんじゃないか」
「一人でいろいろな細かい仕事までできるか不安」
フリーランスとして働くにあたって、こんな不安を持っていませんか?
日本語学校を始め、どこかに所属して日本語教師として働くことと、フリーランスとして働くことはさまざまな点で違うことがあります。
フリーランスとして働きたいけど不安も大きいという気持ち、すごくよくわかります。
ここでは海外と日本の日本語学校勤務、フリーランスのどちらの立場としても働いてきて感じたことを率直に書いていきます。
私が感じたメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
・働きたい時間、仕事の内容を全て自分で決められる
・自分の努力、能力次第で収入をアップさせることができる
・積極的に勉強したい人が多いので、学生の質が上がる
・日本語を教えることだけに集中できる(日本の日本語学校のような生活指導、進路指導がない)
・いろいろな国、仕事の人に日本語を教えることができる
【デメリット】
・収入が安定しない、安定するまで時間がかかる
・授業の準備を一人でしなければならない
・集客、会計など細かい作業、知識が必要になる
それでは、それぞれの項目について、まずはメリットから一つずつ説明します。
【メリット】
・働きたい時間、仕事の内容を全て自分で決められる
日本語教師に限らず、フリーランスとして働く上で一番のメリットは、仕事の内容も、働く時間も、全て自由に決められるということでしょう。
家事をしなければならないので午前だけ教えたい、副業として本業が終わった後の夜に教えたい、また、自分の専門を活かせる生徒さんだけに教えたいなど、全てはあなた次第です。
もちろん生徒さんのニーズがあるサービス、時間を設定する必要がありますが、私のこれまでの経験ですと、時間もいろいろ(平日昼、夜、週末)、目的もいろいろ(初級日本語、ビジネス会話、JLPT、IT関連の言葉、幼児教育など)で、本当に多様なニーズがあります。
・自分の努力、能力次第で収入をアップさせることができる
これはどんなターゲットにどんな授業をするかによって大きく変わってきますが、サービスの質を高めて、価格を高めに設定すれば(このあたりは「4.日本語教師として独立するまでの全ステップ」の記事で後述します)、どこかに所属して給料をもらうよりも収入を上げることはそれほど難しいことではないと思います。
私は現在、日本語学校に勤務していてときと比べて、同じぐらいの授業時間で倍ぐらいの収入を得ることができています。
・積極的に勉強したい人が多いので、学生の質が上がる
フリーランスとして教える場合、生徒さんはほとんどが自ら希望して、自分でお金を払って日本語を勉強しようとしている人たちです。
会社に強制的に勉強させられるなどの少しの例外はありますが、基本的にみなさんモチベーションが高いです。
全ての日本語学校がそうではないとは思いますが、私が以前働いていた学校では、日本で働くことが目的で、勉強へのモチベーションが低い学生が少なからずいました。
そういった人たちにやる気を出させ、勉強に取り組ませるということはとても大変で、ストレスを感じてしまうこともあると思います。
フリーランスの授業でそれが全くないというわけではありませんが、熱意がある人が多いので、「生徒のモチベーションが低くてストレスになる」ということはほとんどなくなりました。
・日本語を教えることだけに集中できる(日本語学校のような生活指導、進路指導がない)
前の点に共通しますが、フリーランスとして個人または会社と契約する場合、日本語学校のように生活指導、進路指導をする必要はありません(日本語学校と契約して教える場合は別ですが)。
反対にいえば、生徒さんの世話をするのが好き、そこにやりがいを感じる方にとっては物足りなさもあるかもしれません。
・いろいろな国、職業の人に日本語を教えることができる
日本語学校で働くより、さまざまなタイプの生徒さんに教える機会があると思います。
私は今まで世界中の20カ国以上の、さまざまな職業(外交官、企業幹部、国際機関勤務、日系企業勤務、エンジニア、ゲームデザイナー、プログラマー、主婦など)の方々に教えた経験があります。
国や職業によって違う、いろいろな文化や価値観にふれることができるのは本当に大きな楽しみです。
また、それぞれが違う目的、背景を持っている方たちで、求められることも違います。
そのようないろいろな生徒さんに、いろいろな条件で教え続けた結果、日本語学校で働いていたときより、日本語教師としての引き出しがかなり増えた実感があります。
次にデメリットについて説明します。
【デメリット】
・収入が安定しない、安定するまで時間がかかる
まずこの点について不安を感じる人が多いのではないでしょうか。
収入面では、独立して間もないときが一番大変なことは言うまでもないと思います。
ある程度人脈ができてくると、新しい生徒さんを紹介してもらえることも増えて安定してきますが、先のコロナ禍のように突然の社会的な問題、災害時など、フリーランスは不安定になることも多いです。
これに対して完璧な対策はないですが、まず独立してしばらくは、今の仕事と並行して行うことをおすすめします。
また、一人、または一つの会社に依存しすぎると何らかの理由でその仕事が終わったとき辛いので、小口の仕事を多く持っておくことが重要です。
安定的な顧客獲得、授業の継続については「5.フリーランス日本語教師の顧客獲得方法を全公開!」「6.リピート率90%以上!続けたくなる日本語授業の進め方」で詳しく説明します。
・授業の準備を一人でしなければならない
日本語教師としての経験が十分にある人ならともかく、あまり経験がなかったら「自分でお客さんのニーズに合わせて一から十まで授業の準備をするなんてできるだろうか」と不安に思う方もいるかもしれません。
たしかに、フリーランスで教える生徒さんは多様で、ニーズもさまざまです。
ニーズに合わせて授業プランを作っていくのは大変な作業ですので、慣れるまでは準備の時間が確保できるように一週間の授業時間をコントロールしたほうがいいです。
また、もう一つおすすめの方法があります。
それは「生徒さんのターゲットを絞る」ことです。
どうするかというと、自分の得意分野+日本語の専門の教師になるということです。
例えば、IT関係の仕事をしている人専門の日本語教師、サッカー選手専門の日本語教師、という具合です。教えるお客さんを限定すれば、お客さんのニーズをある程度限定できますので、授業準備も効率的にできるはずです。
また専門性が高いオンリーワンの日本語教師になれれば、この分野ではあの人というように「選ばれる日本語教師」になることができます。
・集客、会計など細かい作業、知識が必要になる
フリーランスとして働くためには、確定申告、それにともなう会計、集客するためのウェブサイト作成、SNSの活用など日本語教育とは直接関係ない知識が必要になることがあります。
たしかに、面倒なことではあるんですが、今はインターネットさえあれば、そのあたりの情報を無料でわかりやすく解説してくれているウェブサイトや、作業を大幅に減らしてくれる便利なサービスがたくさんあります。
私も特にIT系の方面はかなり疎かったので苦労はしましたが、ネットで調べたり、サービスを活用することで、ほとんどの問題を解決することができました。
いかがでしたでしょうか?
以上が私が感じた独立することでのメリットとデメリットです。
私の場合は集団のルールにしたがって働くことがあまり好きではなかったし、自分で全部決めたい!もっと稼ぎたい!という思いがあったので独立を決めました。
独立して間もないときの不安定さからくる不安もありましたが、自分にとってはメリットの方が大きいと感じています。
ですが、このメリットの方に魅力を強く感じるのか、デメリットが大きいと感じるのかは人によって全然違うと思いますので、よく考えていただき、後悔のない決断をしていただければと思います!
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